BLOG, 演劇

優秀主演女優賞をいただきました

こんばんは。
熊谷有芳です。

今日はご報告があって文章を書いているのですが、
こんな感じのことを書くのは初めてで、ちょっともそもそと恥ずかしい気持ちです。

さっさと要件を書け、ですね。
まったくその通りだ、書きますね。

「門真国際映画祭2021」舞台映像部門において、
わたくし熊谷有芳が優秀主演女優賞を賜りました。

最優秀主演女優賞ノミネート
第二次審査結果発表 舞台映像部門

そもそも、『わが家の最終的解決』が作品として二次審査を通過しておりました。
8月28日のことです。

もうね、この時点でわたしは万感の思いです。
『わが家の最終的解決』は初演・再演を経て壮大なラブコメディに仕上がりました。
そこでわたしは、ヒロインのエヴァを演じました。
2016年初演の創作開始時、人物相関図を見せられ、「どの役やりたい?」と聞かれて「主人公の彼女役」と答えたのが始まりでしょうかね。

写真:石澤知絵子

初演と再演でエヴァ像が変わり、というか一生懸命変えに行きまして。
初演もかわいい子だったんだけど、再演は自己中心的にならず、より切実に信念と愛を貫く女性になったと思います。

写真:石澤知絵子

この作品においてエヴァは守るべき最終目標であり、主人公をはじめ色んな人から守られる存在。
その理由が主人公ハンスの「好きだから」なんです。
たったそれだけ。
それだけのために、みんなあーだこーだと噓をついたりバタバタ走りまわる。
このお芝居の何処が好きって、やっぱりシンプルにそこですね。

「エヴァが好きだからですよ!」

この一言に尽きる。

エヴァは劇の「愛」の象徴でした。
存在そのものが、愛。
だから、すごおく難しかったし、はちゃめちゃに愛しい役です。

わたしなんかが背負えるわけないし、語っていいのかもわからない、ホロコーストのこと。

2年前、さらに初演はもう5年前ですか、
あの頃はまだまだ向こう見ずで、世界の凄惨さを語れたつもりでいたかもしれない。
でもたぶん、そんなこと永遠に無理。

それでもわたしは演劇で寄り添いたいし、コメディでしか伝わらない皮肉を描きたかった。
可能ならまたこの作品をやりたいと常々思っている。
本当ならその前に、アムステルダムとアウシュビッツには行きたかったけど、
このご時世じゃ叶わなそう。

あれ、受賞のお知らせだったのに「無理」とか「叶わない」とかなんかネガティブね。
やーね、今はあっち行ってよネガティブは。

賞のことを書こう、しょうしよう。

いやあのですね、演劇で、いや演劇じゃなくてもなんですけど、
賞をもらうのは生まれて初めてじゃないでしょうか。
ありましたかね、母に聞いたらわかるだろうか。
まあたぶんないです。

門真国際映画祭は、2020年にアガリスクエンターテイメントの『発表せよ!大本営!』(2019年)で出品してたので受賞の勝手は知ってたんです。
その時も栄誉ある最優秀作品賞をいただき、劇団員3名が最優秀含む俳優賞をもらっていたので。
その時はすげーなー!て思ってました。
鹿島さんが優秀助演女優賞、ジャンプさんが最優秀助演男優賞、つわが最優秀主演男優賞。
シビれました。
いやシビれるでしょこれは。

それが今年、俳優賞を自分がいただくことになるとは想像しづらかったですね。
もちろん可能性があるのは分かってたし、受賞出来たらさぞ嬉しかろうとは思ったけど、
そんなことあるわけないさ、と完全に他の人をお祝いするモードに入っていました。
ジャンプさんの2年連続ノミネートはマジですごいし、綾香さんが客演さんからノミネートされたのもすごく嬉しかった。

それと今日は9月11日だったので、わたしにとって大事な日でした。
20年前のあの光景を、9年前に訪れたグラウンドゼロを思い返して、
ぞっとしたり色々考えたりしてるところに受賞を知らせるLINEがきたので、
だいぶ頭がパニックになりました。
心臓が強めのビートを奏で始めたので慌てて「うせやん」と返しました。
もうちょっと他に言葉があろうよ、34にもなって自分というやつは本当に。

大人っぽい落ち着いたクールな受賞報告ツイートをしたかったのに言葉が出てこなくて、
だからこうやって改めてブログを書いたのにこの有様だし、
ダメですね、文章書く能力がない!
昔はあると思い込んでたよ、おばかさんめ。
でも才能があると信じてた君はある意味眩しいし羨ましいよ。
どんどんやりたまえ。

ちょっと一旦落ち着きます。

写真:石澤知絵子

優秀主演女優賞なんていう大層な名前の賞をいただきましたけど、
エヴァは主演ではないのです。
他の役に愛されて愛されて育つ役なのです。
お父さんとお母さんから、ヨーゼフから、
そしてハンスから愛されなければ成立しない役です。

賞をいただいて嬉しい反面、正直、ちょっと恐縮しちゃう気持ちもありました。
わたしはエヴァのことを、「ヒロインだけど主演ではないなあ」と思っていました。
でも今は、こうして主演女優賞をいただけたから、そうか、主演なのか、と思っているところです。

人からどう思われているのかわからなくて怖くて、何でもかんでも自分で判断して決めつけちゃうような性格のわたしなので、
こうして他の方から認めていただけるのは本当に嬉しいです。
優秀主演女優賞なんて立派なものをいただけるとはゆめゆめ思っていませんでしたが、
どうやら夢じゃないようです。
ありがとうございます。

エヴァを愛してくれた共演者の皆様、観てくれたお客様、創作に携わってくれた皆様、エヴァを生み出してくれた冨坂さん、そしてわたしを支えてくれた家族、本当にありがとうございます。

この度の受賞には、昨今の荒んだ心の泥が払われ、心の一片がキラリと光ったような感覚がありました。
エヴァの強い眼差しを、優しい心を少し思い出せた気がします。

最優秀賞の発表は10月10日に行われるそうです。
ここまで読んでいただけた方ならもうお分かりかと思いますが、
あたしゃそんな豪華なデザートまで食べれるとはつゆほども思っておりません。

しかし、ただ謙遜するばかりでなく、もしかしたらいただけるかもしれないご褒美をちょっとだけ楽しみにしてもいいのかな、なんて思ったりもしています。
そんな淡い期待を小さな包み紙でくるんで、10月10日まで大事にとっておきますね。

もう十分素敵な思いができたもの。
いただけるかどうかはわからない、続きのご褒美は、その時のお楽しみ。

コメントを残す

以下に詳細を記入するか、アイコンをクリックしてログインしてください。

WordPress.com ロゴ

WordPress.com アカウントを使ってコメントしています。 ログアウト /  変更 )

Google フォト

Google アカウントを使ってコメントしています。 ログアウト /  変更 )

Twitter 画像

Twitter アカウントを使ってコメントしています。 ログアウト /  変更 )

Facebook の写真

Facebook アカウントを使ってコメントしています。 ログアウト /  変更 )

%s と連携中